Suntory Azure マネージドサービス標準ドキュメント

Azure Virtual Machine
サービス概要
ドキュメントIDAZ-VM-OVERVIEW-001
バージョン1.0
ステータスRELEASED
作成日2026年5月18日
改訂日2026年5月18日
CompanySuntory Holdings Limited
DivisionDigital & AI Global ITG
作成者Tomoki Koyama

本書は Azure Virtual Machine のサービス概要・アーキテクチャ・VMシリーズ・料金モデル・ユースケースを解説したリファレンスドキュメントです。
構築作業には AZ-VM-DESIGN-001(設計書) および AZ-VM-PARAM-001(パラメータシート) を参照してください。

改訂履歴

Ver. 改訂日 改訂者 改訂内容 承認者
1.0 2026-05-18 Tomoki Koyama 初版作成
📋 本書に関連するドキュメント
ドキュメントID ドキュメント名 種別 備考
AZ-VM-OVERVIEW-001 Azure Virtual Machine サービス概要(本書) サービス概要
AZ-VM-DESIGN-001 Azure Virtual Machine 設計書 設計書 各パラメータの設計根拠・標準値
AZ-VM-PARAM-001 Azure Virtual Machine パラメータシート パラメータシート 構築時の記入・承認フォーム

1. サービス概要

Azure Virtual Machine IaaS Microsoft Azure

Microsoft Azure が提供するクラウド上の仮想サーバーサービス。物理的なサーバーを購入・管理することなく、 Windows / Linux の仮想マシンをオンデマンドで作成・利用できます。

60+
Azure リージョン数
800+
VM サイズの種類
99.99%
SLA(可用性ゾーン使用時)
数分
VM 起動にかかる時間

Azure VM とは?

Azure Virtual Machine は、クラウド上に仮想的なコンピューターを作成できる IaaS(Infrastructure as a Service)サービスです。

従来のオンプレミス環境では物理サーバーの購入・設置・保守が必要でしたが、 Azure VM を使えば必要なときに必要なだけサーバーリソースを利用できます。

OS・CPU・メモリ・ストレージを自由に選択でき、既存のアプリケーションをほぼそのままクラウドへ移行できます。

オンプレミス vs Azure VM

オンプレミス:物理サーバー購入費 + 設置 + 保守(初期コスト大・時間がかかる)
Azure VM:使った分だけ課金・数分で起動・管理は Azure に委譲(初期コストゼロ)

無料で始められます

Azure 無料アカウントで $200 分のクレジットが付与され、B1s VM なら約1ヶ月無料で試せます。

2. アーキテクチャ概要

Azure VM を動かすために必要なリソースの構成を示します。

Azure Subscription Resource Group Virtual Network (VNet) 10.0.0.0/16 Subnet 10.0.1.0/24 Virtual Machine 例: Standard_D2s_v5 vCPU x2 / RAM 8 GB NIC(ネットワーク) Windows / Linux プライベート IP(Public IP なし) 拡張機能(監視・セキュリティ) OS ディスク Standard SSD(原則) データ ディスク 追加ストレージ(任意) 可用性ゾーン SLA 99.99%(本番機推奨) NSG Network Security Group (Common NSG を適用) Backup Recovery Services Vault Storage Account 診断ログ・Boot診断データ保存 Azure Blob Storage ベース Azure Monitor CPU / メモリ / ディスク監視 アラート・メトリクス収集 CyberArk(PAM) サーバーアクセス管理・PIM/PAM

※ 図はAzure VMを構成する主要リソースの論理的な関係を示しています(Suntory標準構成を反映した簡略図)

3. 主要 VM シリーズ一覧

用途別に最適化された VM サイズシリーズがあります。まず D シリーズ(Dsv5)B シリーズ から選ぶのが基本です。

シリーズ 最適化タイプ 主な用途 Suntory 推奨 SKU 例 備考
A シリーズ 汎用(エントリー) 開発・テスト環境 Standard_A2_v2
B シリーズ ★ バースト可能 開発・検証、軽量 AP Standard_B2s 低負荷時コスト安価。Auto-shutdown 推奨
D シリーズ ★ 汎用(バランス型) Web/AP、標準業務 Standard_D4s_v5(Dsv5) スケールアウト前提の標準サイズ
E シリーズ メモリ最適化 Java AP、SAP、DB Standard_E8s_v5(Esv5) DB(SQL/Oracle)には Esv5 + Premium/Ultra Disk
F シリーズ CPU 最適化 バッチ処理、計算集約 Standard_F8s_v2(Fsv2) 高 CPU 性能比
L シリーズ ストレージ最適化 NoSQL、一時処理 Standard_L8s_v3(Lsv3) NVMe ローカル SSD
N シリーズ GPU 最適化 AI/ML、グラフィック処理 Standard_NC6s_v3 GPU/高速計算
M シリーズ 超大容量メモリ 大規模インメモリ DB Standard_M128ms SAP HANA 等の大規模 TRX

★ Suntory 標準構成での主な使用シリーズ / 各シリーズの詳細な SKU 選定基準は設計書(AZ-VM-DESIGN-001)No.10 を参照

4. 料金モデル

コストを最適化するため、用途に合わせた料金体系を選びます。

従量課金(Pay As You Go) 標準
使った分だけ支払い

秒単位または時間単位で課金。コミットメント不要。開発・テスト環境や需要変動が大きいワークロードに最適。

割引:なし(定価)
Reserved Instances(予約) 最大 72% 割引
1年または3年の事前予約

継続稼働するワークロード向け。長期コミットにより大幅コスト削減。本番環境・安定した負荷に最適。

割引:最大 72%(3年予約)
Spot VM(スポット) 最大 90% 割引
Azure の余剰リソースを格安利用

Azure の余剰キャパシティを活用。中断される可能性あり。バッチ処理・CI/CD・耐障害性アプリに適する。

割引:最大 90%(変動制)
⚠️ Suntory 方針:Spot VM(Azure Spot discount)は突然の強制停止リスクがあるため、原則利用しない。詳細は設計書 No.9 を参照。

5. コアコンポーネント詳細

コンポーネント 役割 Suntory 標準・注意ポイント
仮想ネットワーク(VNet) VM 同士や外部との通信を管理するネットワーク 既存の VNets を使用(新規作成は原則不可)。Suntory VNets / Network Security Zones 参照
サブネット VNet 内をさらに分割した小さなネットワーク 既存サブネットを選択。DMZ / 内部セグメントを適切に選択すること
NSG 受信/送信トラフィックのファイアウォールルール 原則 Common NSG を割り当て(例:si2-securitygroup-shd-cs-tokyo-cmn-01)。新規 NSG 作成は行わない
パブリック IP アドレス インターネットから VM にアクセスするための IP 原則 None。セキュリティ方針により VM に直接 Public IP は付与しない。LB 側が保持する
NIC(ネットワークインターフェース) VM をネットワークに接続するインターフェース Accelerated Networking を原則有効化(SR-IOV による性能向上)。VM 削除時に NIC も自動削除する設定を有効化
OS ディスク OS が入った起動ディスク 原則 Standard SSD(LRS)。Image default(127 GiB)を基本とする。VM 削除時に自動削除
データ ディスク アプリデータ保存用の追加ストレージ DB データ領域は Premium SSD。命名規則:hostname_data<N>(例:JZJP1WAPSP001_data01)
可用性ゾーン 物理データセンター障害に対する冗長化構成 本番機は原則 Availability zone(Self-selected zone)を選択。SLA: 99.99%。複数台構成では異なるゾーンを選択
Azure Monitor CPU・メモリ・ディスクの監視サービス 推奨アラートルールを有効化。詳細監視は NewRelic を含め別途検討
Azure Backup VM のスナップショット・バックアップ 原則有効化(Suntory バックアップポリシー準拠)。Recovery Services Vault は運用担当と協議
CyberArk(PAM) サーバーへの特権アクセス管理 構築後に CyberArk へ登録し、管理者アカウントのパスワードを強制変更する。Microsoft Entra ID ログインは使用しない
Microsoft Defender for Cloud クラウドセキュリティポスチャ管理 自動有効化(Foundational CSPM Free Plan)。構築後に有効化を確認すること

6. 主なユースケース

開発・テスト環境

必要なときだけ起動し、使い終わったら停止・削除することでコストを最小化。チーム全員が同じ環境を素早く用意でき、環境差異による問題を解消できます。B シリーズが推奨サイズです。

Web / API サーバー

トラフィックに応じて VM の台数をスケールアウト。Azure Load Balancer と組み合わせて高可用性の Web システムを構築します。D シリーズ(Dsv5)が推奨サイズです。

データベースサーバー

SQL Server・MySQL・Oracle などを仮想マシン上で動作させます。E シリーズ(Esv5)+ Premium/Ultra Disk の組み合わせが推奨です。ディスク設計が最も重要です。

オンプレミスの移行(Lift and Shift)

既存のオンプレミスサーバーをほぼそのまま Azure に移行できます。Azure Migrate ツールで現状分析から移行計画まで一括サポートされます。

7. 構築の流れ

Suntory Azure 標準の VM 構築手順です。パラメータシート(AZ-VM-PARAM-001)への記入と承認を得てから構築を開始してください。

ステップ 操作内容 Suntory 標準・確認ポイント
1. 事前確認・承認取得 パラメータシートに全項目を記入し、承認者の承認を取得する 未記入・未承認での構築開始は禁止
2. サブスクリプション確認 構築対象の Subscription を特定する Suntory Azure Foundation Resources and Subscriptions mapping.xlsx を参照
3. リソースグループ確認 既存のリソースグループを確認・流用または新規作成 命名規則:rgp-<region>-<sub>-<env>-<app>-<seq>
4. ホスト名決定 命名規則に従ってホスト名を決定し、重複がないか確認 nslookup コマンドおよび ServiceNow CMDB で重複確認必須
5. VM の作成 Azure Portal でパラメータシートに従って VM を作成 Trusted launch / x64 / パスワード認証(Username: AzureVmAdmin)
6. ネットワーク設定 既存 VNets / サブネットを選択し、Common NSG を割り当て Public IP は None(LB 側で保持)。Accelerated Networking を有効化
7. バックアップ設定 Azure Backup を有効化し、Recovery Services Vault を設定 運用担当と協議のうえ Vault を確定する
8. CyberArk 登録 構築後に CyberArk に登録し、管理者パスワードを変更する 一時パスワードは別経路で共有。本書・メール本文には記載しない
9. 構築確認 Defender for Cloud の有効化・監視設定・タグの正確性を確認 タグは Suntory Azure Foundation Tag Standards.xlsx に準拠
⚠️ コスト管理の注意点
VM を「停止(割り当て解除)」しても、OS ディスクや静的パブリック IP アドレスの料金は発生し続けます。完全にコストをゼロにするには「削除」が必要です。学習・検証目的の場合は使い終わったら必ずリソースグループごと削除しましょう。
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