SI2 Azure Strategy 2026–2031

サントリー Azure
クラウド戦略

データとAIで経営変革を加速する、グループ全体のクラウド戦略
50億円
5年間 Azure コミットメント
5年間
2026年4月 〜 2031年4月
71→29%
M365 値上げを回避した交渉結果
North Star — 本戦略が目指すもの 「速く・安全に・賢く」価値を創出できるグローバルクラウド経営基盤を確立し、
データとAIを軸にサントリーグループ全体の意思決定力と変革速度を飛躍的に高める。
Executive Summary

背景と3つの戦略的柱

2025年のMSライセンス価格改定を契機に締結した50億円・5年間のAzureコミットメント。
これは単なるコスト防御ではなく、AWSで実証したクラウド活用能力をAzureへ拡張し、
マルチクラウドを真の経営変革基盤として完成させる転換期である。

マルチクラウド役割最適化

AWS(守り)・Azure(攻め)・GCP(マーケティング)の役割を固定化し、グループ全体で一貫性あるクラウド運用を実現する。

Azure起点の経営変革

データ統合・AI活用・市民開発・グローバル接続の5つの実行軸で競争優位性を創出。単独施策ではなく一体的なプラットフォームとして推進する。

ガバナンス・組織・パートナーの三位一体

CCoE体制・Microsoftとの戦略的協働・TCS運用エコシステムを構築し、再現性ある実行フレームワークを確立する。

Section 1 — 戦略的文脈

なぜ今、Azureなのか

直接的な契機(MSライセンス価格改定)と構造的な変化(クラウドの経営基盤化)が重なった、サントリーにとって唯一無二のタイミングである。

📌 1.1 直接的契機:MSライセンス価格改定とAzureコミットメント
⚠️
MS 価格改定通知
M365を含む
全ライセンス
71%↑
🤝
Microsoft との交渉
代替コミットメントを
提案・合意
☁️
Azure 50億円コミット
2026年4月〜2031年4月
5年間・50億円
M365 値上げ回避
調達コストを
グループ全体で安定化
71→29%に回避
🎯
義務 かつ 好機
Azure活用を
加速させる責任
+ ROI最大化の機会
重要な発想の転換:問いは「50億をどう消化するか」ではなく、「50億の投資に見合う経営価値をどう創出するか」でなければならない。
🌍 1.2 構造的契機:クラウドが「経営基盤」へ転換する時代

この変化はサントリーにとって追い風でも向かい風でもなく、対応できるかどうかで競争力の差が生まれる環境変化である。

変化軸 📉 これまで 📈 これから
クラウドの役割ITインフラの効率化手段経営スピードと変革力を左右する経営基盤
競争優位の源泉クラウドはAWSでほぼ1択事業価値に応じてクラウドを使い分ける設計力・統制力
AI活用の水準業務効率化のPoC段階意思決定の高度化・業務プロセスそのものの再設計
データの位置づけ各BUごとに分散配置グローバル横断の戦略的資産として意思決定に活用
セキュリティ・ガバナンスAWSのみ中央統制マルチクラウドを前提とした横断的・自動化された統制
統合されたデータ基盤とAI活用能力を持つ企業と、個別最適のまま拡張できない企業との間には、将来的に埋め戻し困難な競争力格差が生まれつつある。
本戦略は、サントリーが変化の受け手ではなく、変化を先取りして競争力を創出する側に立つことを選択するものである。
Section 2 — 現状分析

As-Is と 構造課題

3つのクラウドは明確な成熟度の差があり、AWSは完成した基盤・Azureは戦略的に重要だが未完成・GCPは補完的活用に留まる。

📊 2.1 クラウド利用の現状(As-Is)
AWS
成熟 ✅
  • Suntory Japan・SBFのミッションクリティカル業務システムの基盤として確立済み
  • Global IT Teamが標準化を主導、TCS(24×365)・クラスメソッドとのエコシステムが機能
  • SBFで全SAPをRise with SAP on AWSへ移行実施中
  • Terraform(IaC)・ServiceNowによる自動化基盤を継続拡充
設計・運用・コスト管理・パートナーエコシステムまで含めた「完成した基盤」として全体に認識されている
Azure
拡大中 ⚠️
  • 基本インフラ設計は完了、しかし標準化・運用モデル・エコシステムがAWSと比較して未成熟
  • BU・用途ごとに個別対応が発生。「重要だが扱いづらい」「人に聞かないと分からない」が蔓延
  • SGSではオンプレ・GCPからAzureへのサーバ移行が進行中、SAPのAzure移行も計画段階
  • SBFはAzureファーストで開発が進む一方、基礎インフラコストがネックとなり各社が足踏み
戦略上は重要な位置づけであるにもかかわらず、「使える基盤」として完成していない
GCP
補完 ℹ️
  • デジタルマーケティング(Google Analytics / BigQuery)中心での活用に限定
  • Suntory Japan・SGSともにインフラ標準化は限定的
マーケティング分析に特化した補完的クラウドとして位置づけ
⚠️ 2.2 3つの構造課題

現状分析が示すのは、個別クラウドの技術的課題ではなく、より深いところにある3つの構造問題である。これらを解決しない限り、いかなる戦略も実行力を持たない。

経営戦略と実行基盤の不整合

マルチクラウドを「経営前提」と捉える戦略思想は時代の潮流と合っているが、それを動かすための意思決定単位・投資構造・設計思想が同じレイヤーで整備されていない。AWSの成功体験を前提とした期待が先行する一方で、AWSが経た「初期標準設計・運用体制構築・パートナー形成」という条件がAzureには与えられていない。

AzureがSI2標準サービスとして未完成

Azureはデータ統合・AI活用・市民開発・グローバル横断基盤の中核に位置づけられるべきだが、使い方・責任・コストが明確な「社内向けサービス」として完成していない。「技術的には存在するが、使うには都度確認が必要なもの」に留まっており、この状態ではデータ・AI活用を全社規模でスケールさせることは難しい。

横断推進を担う組織・ガバナンスが未整備

設計・判断・運営の責任が分散し、横断視点で統制・推進する組織単位が不明確。Azure活用は個人の調整力や現場努力に依存しており、再現性もスケールも持たない。Microsoftを「戦略パートナー」と位置づけながら、共同ガバナンス・役割分担が十分に設計されていない。受け手側の権限設計・体制・覚悟が整わない限り、戦略パートナーシップは形式に留まる。

Section 3 — マルチクラウド戦略フレームワーク

3クラウドの戦略的役割分担

「どのクラウドが優れているか」ではなく、「どのクラウドが、どの価値を最も合理的に実現できるか」で役割を明確に定義する。役割を固定化することで、グループ全体の一貫性あるマルチクラウド運用を実現する。

🎯 クラウド戦略の成否が直結する4つの経営ケイパビリティ
1
データに基づく意思決定を迅速に行えるか
2
グローバルで共通のクラウド設計・基盤を展開できるか
3
AIを一過性のPoCではなく、業務プロセスに組み込めるか
4
現場が自律的に改善し続けられる仕組みを持てるか
☁️ 3クラウドの戦略的役割分担
守りの基盤
成熟 · 安定 · ミッションクリティカル
  • Suntory Japan の業務システム
  • SBF の業務システム
  • SBF SAP(Rise with SAP on AWS)
Core Strategy
攻めの基盤
横断 · 変革 · 未来投資
  • データ / AI / 業務変革(全グループ)
  • グローバル接続インフラ
  • SGS の基幹基盤(守り・攻め両役割)
補完基盤
デジタルマーケティング特化
  • Suntory Japan,SGSのマーケティング分析
    (Google Analytics/BigQueryを活用)
SGS固有の考え方:Suntory Japan・SBFとは異なり、SGSではAzureが守り(コア基盤)・攻め(変革推進)の両役割を担う。
Section 4 — Azure 中核戦略

競争優位性の実現

AzureをAWSの「第2のクラウド」として単純に位置づけるのではなく、グローバル・横断・End-to-Endで設計できる整合性に着目し、AWSとは補完関係にある戦略基盤として明確に位置づける。

🔑 4.1 Azureを中核基盤とする根拠
💰 コスト観点
🏷️

① ライセンス費用の最適化

Windows ServerやSQL Serverのライセンスを、AWSと比較して安価に利用可能。既存のMicrosoft投資との相乗効果を最大化し、クラウド移行における総保有コスト(TCO)を削減する。

🌐

② クラウド間データ転送コスト(Egress Fee)の抑制

データレイクを全社で同じクラウドに配置し、Power PlatformとAzure間を同一リージョン内で連携させることで、クラウド間通信に伴うEgressコストを最小化させる。

🔒 セキュリティ・ガバナンス観点
🤖

③ Microsoft 365 Copilotとの高度な親和性

セキュアな参照:Microsoft Graphコネクタにより、Entra IDの権限を維持したまま、Azure上のデータをCopilotの回答に安全に活用可能。M365との深い統合により、情報活用と情報統制を同時に実現できる。

🪪

④ 一貫した認証と閉域網接続

認証の統合:Entra IDにより、アプリからDBまで一貫した認証基盤で管理可能。

安全なRAG構築:Azure AI SearchとPrivate Linkを併用し、インターネットを経由しない閉域網内でのデータ検索・生成AI連携を実現。

🔏

⑤ 機密ラベルの継承(Microsoft Purview)

Azure上のデータに付与された機密設定を、Copilotが生成した回答にも自動適用。データの取り扱いルールをエンドツーエンドで維持し、情報ガバナンスを生成AIの活用領域まで一貫して適用できる。

🚀 4.2 競争優位性を生む5つの実行軸

5つの軸は相互に連動させることで初めて最大の価値を発揮する。単独施策の積み上げではなく、一体的なプラットフォームとして設計・推進することが肝要である。

1

グローバルデータ統合基盤

Microsoft Fabric Power BI

「One Suntory」の視点で、Suntory Japan・SBF・SGSに分断されたデータを統合し、グローバル横断で「同じ数字を見て判断できる」経営データ基盤を確立する。経営層・事業責任者がスピーディに意思決定できるデータレイクを構築する。

2

グローバルAI基盤

Copilot Azure OpenAI

Copilot(業務フロント)とAzure OpenAI(業務システム統合型AI)を全社標準AIとして位置づける。人に依存していた業務判断・資料作成・分析を組織の能力として内製化し、AIを一過性の実験から持続的な生産性向上基盤へ進化させる。

3

現場開発基盤

Power Platform(Powr Apps/Power Automaate)

Power Platformを全社標準の業務デジタル化基盤とし、IT主導の大規模開発と現場主導の即応的改善を明確に役割分担する。業務システムと現場アプリをセキュアに接続、また上述のAI基盤も活用することで、「現場が自律的に改善し続ける組織」への転換を実現する。

4

スケーラブルなシステム開発・運用基盤

Azure Landing Zone

インフラ・CI/CD・セキュリティ・監視を共通プラットフォームとして標準化し、各事業・各国で「同じやり方で高速にクラウド基盤を提供、安定して動かせる」土台を整備する。開発者がセルフサービスで利用できるIDP(内部開発プラットフォーム)を構築し、グループ全体で再現性のあるITデリバリー能力を確立する(Platform Engineering)。

5

マルチクラウド前提のグローバル接続・セキュリティ基盤

Azure Virtual WAN

Azure Virtual WANを中核としたネットワーク基盤により、オンプレ中心の資産から脱却し、Azure・AWS・GCP・オンプレを一元的に接続・統制する。MPLSからSD-WANへの移行によりコスト最適化と運用生産性向上を両立しつつ、現行グローバルバックボーンの廃止を図る。

🗺️ 4.3 Azure環境の目指す姿(To-Be)概要
領域 📉 現状(As-Is) 🎯 目指す姿(To-Be)
技術標準SI2・SGSで別々の標準、属人的な更新統合Azure標準、AI支援による半自動更新
データ基盤3社で分断、横断参照困難仮想統合データレイク、グローバル横断参照可能
AI活用個別PoC、散在・未定着Copilot / Azure OpenAI 標準化、業務組み込み
開発基盤手動・属人化、スピード不足セルフサービスポータル・IaC自動化による高速開発
ネットワークMPLS中心、複雑なグローバル接続SD-WAN / Virtual WAN 一本化、コスト最適化
運用手動対応・TCS/個人依存AIOps活用による自動・半自動インシデント対応
組織・推進個人の調整力依存、横断統制なしCCoE体制によるガバナンス、MS戦略パートナーシップ機能
Section 5 — 実装ロードマップ

2026–2031 実装ロードマップ

Azureコミットメント期間(5年間)を3フェーズに分け、段階的に成熟度を高める。フェーズの考え方は「基盤を整える → スケールさせる → 変革を実現する」である。

コミットメント期間:2026年4月 〜 2031年4月(5年間・50億円)
Phase 1 — 基盤確立
Phase 2 — 活用拡大
Phase 3 — 変革実現
2026年4月 2027年4月 2029年4月 2031年4月
2026年4月 〜 2027年3月
Phase 1
基盤確立
「使える基盤」を整備し、AWSと同水準のエコシステムを構築する
  • Azure Landing Zone・ガバナンス基盤の整備(SI2・SGS標準統合)
  • CCoE組織の正式立ち上げ(バーチャル横断チーム)
  • Azure技術者育成プログラムの開始
  • Suntory JapanのWindowsパッケージサーバのAzure構築・AWSからの移行
  • Azure Virtual WAN構築開始・SD-WAN移行計画確定
  • Power BI PremiumのMicrosoft Fabricへの移行
  • Azureコスト可視化(FinOps)基盤の整備
  • Microsoftとの戦略パートナーシップモデル(QBR体制)の確立
2027年4月 〜 2029年3月
Phase 2
活用拡大
データ・AIを業務に組み込み、グループ全体でスケールさせる
  • セルフサービス開発ポータル(Platform Engineering)稼働
  • Microsoft Fabricによるグローバルデータ統合基盤の構築
  • Copilot / Azure OpenAIの業務組み込み(主要ユースケース展開)
  • Power PlatformのセキュアでAI駆動開発な現場開発モデルの全社展開
2029年4月 〜 2031年3月
Phase 3
変革実現
クラウドが競争優位性の源泉となり、経営変革を持続的に牽引する
  • グループ全体のAzure活用成熟(コミットメント達成の蓋然性確保)
  • AIOpsによる自律的運用の実現
  • データ・AI活用による経営意思決定の高度化(定量的成果の確認)
  • MPLSからSD-WANへの完全移行完了
Section 6 — ガバナンス・組織モデル

ガバナンス・組織モデル

構造課題③への対応として、横断戦略を実現するガバナンスモデルを確立する。「止める統制」ではなく「使わせる統制」——標準・ガードレール・運用モデルをあらかじめ整備し、現場のスピードを阻害しない体制を構築する。

☁️

6.1 CCoE(Cloud Center of Excellence)

参加組織
SHD Transformationグループ・SGS Igorチーム・SBF DMPチーム・TCSアーキテクトチーム
役割
Azureアーキテクチャ判断・標準設計・ガードレール管理・BUへの技術支援・育成
意思決定
横断的判断はCCoEが担い、BUは標準に従いつつセルフサービスで利用できる環境を整備
運営方針
「使わせる統制」——標準・ガードレール・運用モデルをあらかじめ整備し、現場のスピードを阻害しない
🤝

6.2 Microsoftとの戦略パートナーシップ

QBR
経営層・CCoE・MS三者で戦略進捗を四半期ごとに定期確認。相互のロードマップとKPIを透明に共有
共同ガバナンス
優先テーマ・役割分担・意思決定モデルをMS側と明確化
技術支援
MSソリューションアーキテクトの継続的関与(アーキテクチャ・AI・セキュリティ)
パートナーシップの本質:ガバナンス・人材・実装の三位一体の協働モデルを確立し、AIや業務変革を一過性の技術導入に留めず、全社的な競争力強化へ継続的につなげる。
⚙️

6.3 運用パートナーモデル

AWSで確立した運用エコシステム以上のものをAzureに構築することを目指す

標準設計
Global IT Team(CCoE)
24×365運用
AIOpsを活用した自立解決を目指しつつ、最初のフェーズはTCSリソースも活用
コスト最適化
専任パートナー選定を検討しつつ内製化を検討
アーキテクチャ
Microsoftソリューションアーキテクトに適宜相談
👥 6.4 プロジェクト推進体制(担当者一覧)
役割 責任内容 担当者 / 所属
ITプロジェクトリーダー スコープ・マイルストーン・成果のエンドツーエンド管理責任 Tom (SHD)
エグゼクティブスポンサー 戦略方針の決定および主要意思決定のサポート Lusman (SHD), Ian (SGS)
エンタープライズアーキテクチャリード ターゲットアーキテクチャおよび標準化アプローチの定義 Rohan (SHD), Joshua (SBF), TCSアーキテクトチーム(TBD)
エンジニアリングリード Azureサービスの実装・構築の実行 Rohan (SHD), Son (SHD), TCSエンジニアリングチーム(TBD)
セキュリティ・ガバナンスチーム コンプライアンス・セキュリティポリシー遵守の確保 Turner (SHD), Vincent (SBFI)
VMO(ベンダー管理オフィス) MSコミットメント達成状況管理・契約/商務調整 Janice (SHD)
Azureオペレーションチーム 運用準備・ランブック作成・BAUへの移行対応 Rohan (SHD), Son (SHD), TCSオペレーションチーム(TBD)
各ビジネスユニット代表 要件提供・設計検証・導入支援 M Cruz (SBFE), Ram (SBFI), Mitsu (SBFA), TBD (SBFO), Larry (PBV) 等
Section 7 — 成果指標

KPI(Key Performance Indicators)

戦略の進捗と成果を定量・定性の両面から継続的に計測・可視化する。

KPI目標値計測時期
Azureコミットメント達成率 5年累計50億円(計画通りの消化) 毎年度末
Azure標準化カバレッジ 主要マネージドサービスの標準化率 95%以上 Phase 1末(2027年3月)
Azure技術者数 Azure solutions architect associate相当の技術者の数 60名以上 Phase 1末(2027年3月)
データ統合カバレッジ 3社主要業務データのデータレイク統合率 Phase 2末(2029年3月)
SD-WAN移行率 MPLSからSD-WANへの移行完了割合 Phase 3末(2031年3月)
🎯 定性的成果(戦略実現の指標)
📊
グループ全体で「同じ数字で経営判断できる」状態の実現
⚙️
Azure活用が個人の調整力ではなく、仕組みによって推進される状態の確立
📈
CIOレポーティングにおけるマルチクラウド活用成熟度の継続的可視化
🤝
Microsoftとのパートナーシップが形式ではなく、実質的な共同経営アジェンダとして機能している状態
Section 8 — 想定コスト

概算コスト(CAPEX / OPEX)

Azure基盤の構築・運用にあたって発生する費用の概要。BU固有の要件に基づく個別サービス費用は別途。

コスト種別項目コスト / 条件備考
初期費用(Capex) 各BUのSI2 Azure環境 初期構築費用 未定(TBD) 新設のTCS Azureチームが実装を担当予定
初期費用(Capex) Azureへの専用接続 初期設定費用 未定(TBD) 各BUが利用する通信キャリアのサービス料金に依存
月次費用(Opex) 各BU Azureサブスクリプション 基本インフラ月次費用 月額 USD 2,600 Azureファウンデーションインフラのネットワーク・セキュリティ関連費用
月次費用(Opex) TCS Azureオペレーションチーム費用 未定(TBD) AWSと異なりFTベースのモデルで料金が算定されるため、サントリーグローバル全体へのコスト配賦方法は現時点で未決定
📝 特記事項:各BU固有の要件に基づいて個別に実装されるAzureサービス自体の費用は、現在SHDからクロスチャージしているが、今後はJBSに直接請求される予定。
Section 9 — リスクと対応方針

リスクレジスター

主要リスクを発生可能性・影響度で評価し、具体的な対応方針を定義する。

Azureコミットメント未達
可能性:中 影響:高
対応:FinOps基盤整備による常時可視化・計画的利用拡大ロードマップの管理
既存AWSコミットとの競合
可能性:中 影響:中
対応:役割分担の明確化・既存AWSコミットを毀損しない戦略設計の徹底
組織・人材のAzure習熟遅延
可能性:高 影響:高
対応:CCoE主導の育成プログラム・外部パートナー活用の計画化(Phase 1で着手)
マルチクラウドガバナンスの複雑化
可能性:中 影響:中
対応:Azure Landing Zone・ガードレール自動化による統制の組み込み
MS戦略パートナーシップの形骸化
可能性:中 影響:高
対応:QBR体制・共同KPI設定・エスカレーションパスの明確化
現場のスピードとガバナンスの衝突
可能性:高 影響:中
対応:「使わせる統制」モデル設計——標準の整備とセルフサービス化を同時に推進